石材店の選び方
民間霊園や寺院墓地で「指定石材店制度」でなければ、どこの石材店にお願いすることも可能です。石材店を選ぶポイントをまとめました。
また、失敗しないお墓づくりのためのチェックシートをご用意しました。
信頼できる石材店の選び方(石材店選びの8つのポイント)
店舗や工事現場に来ることを歓迎してくれること
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業種を問わず、何屋さんでも、入りやすい店と入りにくい店、居心地のいい店となんとなく居づらい店はありますね。一流の職人さんで道具や仕事場を大切にしない人がいないように、真剣に熱意を持って仕事をしている石材店は、やはり何かしら魅力があります。
店舗や工事現場に来ることを歓迎してくれる業者は、少なからず自分たちの仕事に自信を持っています。自分たちの仕事をいつでも見に来てほしいと思っているのです。
「お墓を建てて後悔した人」に共通していることは、墓石を注文した石材店に一度も足を運んでいないことです。店舗や工事現場に足を運ぼうと思っていたものの、何かと理由をつけて断られ、最終的にできあがった墓石を見てがっかりしたという人もいます。店舗や工事現場の見学を歓迎してくれる石材店なら、自分の目で見て確かめられるため、安心して依頼できるでしょう。
店舗や工事現場が整理整頓されていること
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たとえば店舗が気持ちよく片付いていたり、目につきにくいところまで整理整頓が行き届いていたり、業種を問わず評判のいいお店は従業員の態度や振る舞いがしっかりしています。その一方で、もしあなたが依頼したお墓が雑然とした店舗や工事現場で請け負われているとしたら、どんな気持ちがしますか。
依頼したお墓の図面がクシャクシャに汚れていたり、契約書類が無造作に机の上にポンと放り投げられていたり、変更を依頼した用件のメモがゴミ箱からはみ出していたりしたら、「ほかのお客様のお墓と間違えられないかしら?」「うちのお墓はいい加減につくられないかな?」そう心配になると思います。
信頼できる業者なら、依頼する方の気持ちを考えて自分の仕事に誇りを持ち、普段から店舗や工事現場をきちんと整理整頓して使っています。
話をきちんと聞いてくれること
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お墓を建てた方からのクレームで多く見られるのが「材質、デザイン、サイズが違う」というものです。どうしてこんな基本的な間違いが起こるのでしょうか。
理由は簡単です。石材店がお客様の話をきちんと聞いていないからです。「何とかして売りたい」という気持ちばかりが先行し、お客様の話は右から左へと聞き流すこともしばしば。ひどいところになると、契約後はまったく話をしないで何も確認しないまま勝手に工事をすすめるところもあります。
あなたの話をきちんと聞いてくれる石材店を選ぶこと。
基本的なことですが、これはとても大切です。どんなお墓にしたいのか、イメージはどんな感じか、亡くなった方の人柄、立場や生前の希望などいろいろな話にしっかりと耳を傾けてくれるところなら、納得のいくものを作ってくれるでしょう。 石に詳しいこと
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石材店の店員に「どんなお墓にしたいですか?」「どんなお墓をイメージしていますか?」と聞かれても、すぐに答えられる方は少ないでしょう。
まして、どんな石なら長持ちするのか、石にどんな特徴があるのかを知っている方はごく少数だと思います。お墓は自然から採れた石を人の手で加工し、一人ひとりの想いや心、夢を吹き込んでつくり上げるものです。どんな石を使ってどんな加工をすれば、お客様の希望するお墓に仕上がり、末永く機能し続けるのか。石材店は石の特徴や性質に詳しくなければ務まりません。
石を割ってみて、切ってみて、削ってみて、磨いてみて、彫ってみて、建ててみて、初めて「石」のことがわかるようになります。こうした経験や知識を積み重ね、深みのある情報をお客様に提供できなければ、プロとはいえないのです。信頼できる石材店は、価格のことだけでなく、お墓の本質、石の種類や特徴、施工方法などについてもわかりやすく説明してくれます。
あなたの話に耳を傾けた上で、いちばん見合う石をすすめてくれるのです。
宗教・仏事に詳しいこと
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石材店として知っておかなければならないことは、石のほかにもあります。たとえば宗教や仏事のこと。
お墓を建てることと、法要や供養などは別のことと思えるかもしれませんが、新たにお墓を建てる場合、知っておかなければトラブルになることもあります。たとえば、寺院墓地を購入していても、宗旨が違うと墓石を建てることを拒否されることがあります。オリジナルデザインの墓石を注文したあとで、そこでは宗教上、墓石のデザインがある程度決められていたことがわかり、お墓を作りなおさなければならなくなったというケースもあります。戒名のことなど、宗旨ごとの「決まりごと」もあります。
お客様のことを考えている石材店なら、こうしたトラブルがないように、宗教や仏事についても勉強し、正しい情報を教えてくれます。
考える時間を与えてくれること
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信頼できる石材店はお客様の気持ちを大切にし、ゆっくりと考える時間を与えてくれます。
強引に契約を迫ったり、連日の電話営業や自宅に押しかけたりするような真似は決してしません。必要な情報をわかりやすく気持ちよく提供してくれて、あとはあなたの心が決まるのをゆっくり待ってくれる、そんな石材店なら安心です。
契約書・保証書を取り交わすこと
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いい加減な石材店としっかりした石材店の違いは、契約書の有無にあるともいえます。一般の商品と同じく、石材店とは契約書や保証書を取り交わしましょう。その際、契約書に「金額」「石の種類」「仕様」「納期」「支払い条件※」などが明記されているか必ず確認してみてください。
石の「産地証明書」、施工についての保証書なども必要です。契約書や保証書を取り交わさないまま口約束で依頼したり、契約書の内容があいまいなまま契約してしまうと、後々トラブルの元になります。
※支払い条件について
一般的には契約時に2~3割くらい手付金を支払い、施工後に残金を支払う場合が多いです。また契約時に10~20万円、施工後に残金という場合もあります。お客様によっては全額前金で支払いたいと申し出ることもありますが、いずれの場合も契約書にその内容が明記されていることが大切です。 アフターフォローをしてくれること
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お墓は「建てたら終わり」ではありません。末代まで受け継がれていくものです。
建ててから何十年も経てば、どんなに立派なしっかりしたお墓でも傷みがでてきます。石そのものの傷みだけではなく、セメントや接着剤の劣化、近隣の土木工事の影響による地盤沈下などが原因で傾いたりすることもあります。
たとえ傷みは少ないとしても、新たに戒名を刻む必要が出てくるかもしれません。 そんなとき、すぐに補修してくれる石材店と、建てたら最後なかなか連絡も取れないような石材店とでは、どちらが安心できますか。 また、ゴミが落ちていたら拾ってくれたり、お花がダメになっていたら捨てておいてくれたり、そうしたちょっとした心配りが行き届いている石材店とそうでないところでは、長い年月でお墓の状態に大きな差がでてきます。 石材店との本当の付き合いはお墓を建てた後から始まります。
どんな小さなことでも相談できて、アフターフォローをしっかりしてくれる石材店とお付き合いください。
失敗しないお墓づくりのために
ここだけは押さえておきたいチェックポイント!
失敗しないお墓づくりのためのチェックポイントPDFダウンロード
こんな石材店にはご用心
- 即決を要求する
- 価格の説明だけで品質の説明がない
- 大幅な値引きをする
- 値引き以外のセールスポイントがない
- 自店で取り扱っている石材の名前や産地を
答えられない
- 泣き落しをする
- 他社の悪口を言う
- 他店の見積り金額によって提示する価格を
変える - 墓石が驚くほど安い
こんな質問をしてみよう!
- 「うちのことはどこのどなたから聞いて
(電話・訪問して)こられたのですか?」 - 「お墓を建てるときに一番大事なことは
何ですか?」
- 「石の良し悪しはどこで決まるのですか?」
- 「このお店と他のお店の違いはどんなところ
ですか?」
信頼できる石材店のチェックポイント
- 仕事に詳しい
- お墓のしきたりに詳しい
- 十分な経験がある
- 石の性質を説明できる
- 自社や工事現場への訪問を歓迎する
- 見積書を出せる
- 納骨などのアフターフォローをしている
- 設計力がある
- 事務所・展示場・工場がある
(マンションの一室などでない)
- お墓の法律に詳しい
- クレームにきちんと対応する
- 十分な知識がある
- お客様の話にきちんと耳を傾ける
- 社員が仕事に「誇り」を持っている
- 提案力がある
- 材質や施工方法にこだわりがある
- 仏事全般にわたる知識がある
- 熱意がある
契約前のチェックポイント
- 見積書がある
- 保証書がある
- 納期を守れる
- 契約書がある
- 施工管理がしっかりしている
よいお墓(墓石)のポイント
- 土地に合ったしっかりとした基礎工事が
されている - サビが出にくい石でつくられている
- 地震対策工事がされている
- 劣化の遅い石でつくられている
- 吸水率が低い石でつくられている
- 実績のある石でできている