お墓購入までの流れ
お墓づくりは、家づくりと同様、一生のうちで、そう何回もあるものではありません。それだけに、しっかりした知識を得て、後悔しない選択をしたいもの。そこで、ここでは初めてお墓づくりをする人のために、どのようにして決めていったらいいかを、アドバイスします。
埋葬の形を決める
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言い換えれば、「誰と入るお墓か」「誰にお墓の面倒を見てもらうか」ということです。具体的には、<家墓><個人墓><夫婦墓><両家墓><共同墓><集合墓(合祀墓・合葬墓)>などがあります。
従来からある伝統的なお墓は、みな子孫に受け継ぐ<家墓>です。しかし、お墓の面倒をみる人が少なくなってきた現状では、他の人が入らない<個人墓><夫婦墓>なども増えつつあります。
また、<両家墓>は、長男長女同士の結婚や一人娘の結婚により、墓石に両家の姓を刻み両家を祀ったお墓です。<共同墓>は、友人や信仰を同じくする人がともに入ったお墓で、和歌山県の高野山に多くある企業墓(会社墓・団体墓)もこの一種です。
場所を決める
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お墓と一口で言っても、大きく分けて寺院墓地・公営墓地・民間霊園の3つがあります。まずは、どれを選ぶかを決めた方がいいでしょう。
石材店を決める
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石材店を決める場合、注意しなくてはならないことは、民間霊園や寺院墓地の場合、石材店がほとんどの場合決められていることです。とくに、民間霊園の場合、「指定石材店制度」といって、複数の石材店が指定されていますが、必ずしもそのなかから自由に選べるわけではありません。石材店の名前が入った霊園のチラシを持参しない限り、たいていの場合、初めての訪問者は順番に振り分けられています。
そのため、ふらりと民間霊園を見学することは避け、先にインターネットなどで、その霊園を扱う石材店を調べておき、見学前に絞り込むことが賢明と言えます。とくに、特定の石種や凝ったデザインのお墓をお考えの場合は、石材店により得手不得手がありますからなおさらです。
公営霊園の場合は、石材店の方さえOKならば、どこの石材店にお願いすることも可能です。ただ、そうなると、選択の幅が広過ぎ、却って悩むでしょうから、いくつかのポイントに絞って選ぶのも一つの方法です。
墓石の形を決める
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お墓の形には、伝統的な四角柱の和型、横長プレート状の洋型、墓地独自の壁型や寝かせたプレート型、そして、オリジナルのデザイン墓などがあります。デザイン墓といっても、洋型に少し手を加えたものから、完全なオーダーメイドのものまでさまざまですが、通常は、和型にするか、洋型にするかが、よくある悩みでしょう。
どちらが多いかは墓地にもよりますが、都内の民間霊園で、最近の新規につくられたお墓は、すでに洋型が和型を上回っている、という調査もあります。また、その場合、○○家の墓ではなく、「愛」「ありがとう」など、刻む文字によって、個性を出すケースも増えてきました。デザイン墓については、各石材店でデザイン集なるものを持っていて相談に乗ってくれるところもあります。
費用について
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お墓づくりに必要な費用は、大きく分けて、永代使用料、墓石関連費用、管理費の3つです。(細かく分けて下記の5つになります。)
永代使用料
- お墓を買うといっても実際は、その土地をお墓として永代使用する権利を買っているため、転売はできません。権利の詳細は、契約によって異なりますので、契約前に、よく確認しておく必要があります。
墓石本体と墓石加工費
- 墓石本体は、石の産地や種類により価格は大きく異なりますが、使う石の量によっても変わってきます。また、墓石に文字を刻む費用は本体価格とセットになっていることが多いようですが、文字数が極端に多かったり、形やデザインで加工が多くなる場合は、その分の追加費用を考えておく必要があります。
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- 外柵費用
- 外柵とは、お墓の回りの柵です。やや広めの敷地にお墓をつくる場合、柵に限らず墓石の回りのことも考える必要があります。
- 施工費
- 施工費は、工事費のことで、こうしたお墓費用はセットになっているケースがよくあります。
管理費
- 忘れてはならないのが管理費です。これは、主に墓地内の共有施設の共益費にあたります。当初1年分だけ払いますが、その後毎年発生してきます。公営墓地では0~8,000円程度、民間霊園で5,000~20,000円程度、寺院墓地ではお布施などの名目で6,000~25,000円程度が目安です。
※合計では、管理費を除いて150~200万円がよく見られるご予算の例と言えます。
ペットと埋葬
ペットを家族のように考える人が増えています。
家族同様に暮らしているペットを失う事で起こる「ペットロス症候群」なる言葉も話題になっているようです。そこで、近年では、首都圏を中心に「ペット共葬墓地」が増えてきています。ペットの遺骨を人間の遺骨と一緒に収めるお墓のことで、言い方も、「ペット共葬墓地」という表現が最近定着してきました。