はかまどトピックス
2016/10/28
お墓のお掃除代行とお墓参り
ちょっと仮定の話をしますので、想像してください。
あなたには妻と二人の子供がいるとします。子供達は既に成人し、離れて暮らしています。ある日あなたが病気で長期入院することになったとしましょう。
長男は、お見舞いには来ませんが、毎週一回「お見舞い代行」を頼んでくれるので、見たこともない方が花束を届けてくれます。ただ、毎回あなたの名札を確認して、届けた証拠に花束を持たされた写真を撮って帰ります。
次男は、気の利いたものは持ってきませんが、月一回ほどお見舞いに訪れては「お父さん大丈夫?」「お大事にね。」「あまり頻繁には来られないけど、また来るね。」と、話している間ずっとあなたの手を握ってくれます。
果たして、あなたはどちらが嬉しいですか?
言うまでもありませんよね。お墓参りも同じだと思うのです。あなたが既に亡くなってお墓に入っている先祖だとしてください。長男はきっと「お墓参り代行」を頼むでしょう。次男はきっと自分でお墓参りして、お墓を拭きながら語りかけてくれるでしょう。
どちらがかわいい子孫ですか?先祖としてどちらを守ってあげたいと思いますか?
私が先祖だったら、知らない人に代行するくらいなら、やってくれない方がまだましだと思ってしまいます。
「お墓掃除代行」と「お墓参り代行」をセットで請け負う業者さんはたくさんいます。確かに「どうせ」お墓に行って掃除するんだから、「ついで」にお参りもやってもらえばいいと考えるかもしれません。ですが、そもそも「お墓参り」は何のためにするのでしょうか?生きている者の自己満足のためでしょうか?
今は亡きご先祖様に、現状報告をしたり、思い出話をしたり、生かされていることを感謝したりするために行くと考えるのであれば、知らない人が行ったのでは全く意味がないと思うのです。
「お墓掃除」は代行しても、「お墓参り」は代えが効かない家族だけのものだと私は思いますが、皆さんはいかがお考えでしょうか。
プラスダイヤ株式会社 宮下 武