はかまどトピックス
2016/07/14
石材店からみた新しいお墓参りのカタチ その(2) 墓石とカロートで決まる「ペットと一緒に納骨」の3形態

ペット共葬墓地は、ペット墓地とは異なり、霊園の一部区画を共葬墓地用としているケースがほとんどで、大型の霊園に多いようです。また、一部区画を共葬用に充てることで、共葬を好まない利用者も容認しやすく、経営的にも両立することができ、ニーズに応じて区画の広さを調整することも可能です。
形態としては、墓石も骨壺を安置するカロートも人用とペット用が別々のタイプと、カロートは別でも墓石はひとつのタイプ、墓石もカロートも一緒の3つに大別できます。霊園によっては、カロートの容量の関係から、ペットのお骨は一部を分骨し、残りのお骨は園内の合葬墓に納骨し合同供養となる場合もあるようです。
墓石は、通常は洋型で、墓石を分ける場合は、人間用の大きな墓石と、ペット用の小さな墓石を隣同士に並べます(並べずに外柵?の一部にペット用の墓碑や納骨室を設けている例もあります)。墓石がひとつの場合は、デザイン的に工夫が必要で、墓碑面の一角にペットの写真やイラストを彫り込むケースが多いようです。墓誌には当然ペットの名前も刻むことができます。
なお、ペットの遺骨は、墓埋法の対象にはならないため、産業廃棄物の扱いになり、ペット霊園は、産業廃棄物の保管倉庫の位置づけになります。また、人間とともに埋葬する場合は、副葬品の一つと考えられますが、墓埋法では副葬品についての規定もないため、ペット共葬は、法律(墓埋法)では禁止されていないことになります。ただし、他の利用者の宗教的感情などに配慮する必要があり、専用区画だからといっても、既存の利用者の了解を得ずに、後から霊園内に無理に設置を強行すれば、トラブルになる可能性はあると思っていた方がいいでしょう。
なお、「お墓にペットだけ先に入るのではかわいそう」という子どもの一言で、ペット共葬墓を建てても、あえてペットのお骨は、自宅に置いたままにしているケースもあるようです。たしかに「いつも一緒」なら、そういう選択の方が自然かもしれませんね。
ペット共葬霊園のひとつ小豆沢墓苑の調査では、ペットの飼育歴の有無にかかわらず、56%の人がペットと人が同じ墓に入ることに賛成していたとのこと。ペットが家族同然に扱われるようになってきたことからすれば、違和感や嫌悪感を持つ人は、今後もっと少数派となり、ますますペット共葬墓地は、広がっていくに違いありません。それにつられてお墓参りも多くなるといいですね。
広報委員会 上野國光