はかまどトピックス
2016/07/13
石材店からみた新しいお墓参りのカタチ その(1)「ペットと一緒に納骨」は、「東高西低」傾向

ペット墓地が話題や問題になってから随分経ちますが、近年では首都圏を中心に「ペット共葬墓地」が増えています。ペットの遺骨を人間の遺骨と一緒に収めることのお墓のことで、言い方も、「ペット共葬墓地」という表現が最近定着してきたようです。ただ、略して「共葬墓地」と言うことはやめた方がいいかもしれません。以前から、主に自治体サイドで公共の共同墓地のことを「共葬墓地」と称するケースがあるからです。
どの程度増えているかは、正確にはわかりませんが、ネットで墓地を紹介しているサイトで検索すると100件以上がヒットします。都道府県別に見ると、3/4以上が首都圏に集中していることがわかります。しかも、ほとんどが霊園で、寺院墓地は、わずかです。
さらに、分布をもう少し詳しくみていくと、大阪圏は、首都圏に比べて少なくて「東高西低」であることもわかります。ネットを運営している会社に聞いてみたところ、伝統的な仏教寺院が多い関西は保守的」だからということでした。
仏教では、生命は「天(天上)・人間・修羅・畜生・餓鬼・地獄」の六道(りくどう)を輪廻すると考えられており、前3つを三善趣、後ろ3つを三悪趣といいます。そのため、犬猫などのペットは畜生=悪趣にあたるため、「畜生は人間と共に供養してはいけない」という考え方も出て来て、保守的であれば、嫌う人や霊園も多くなるという訳です。
ちなみに、仏事の東西による違いと言えば、火葬後の拾骨が、関東は「全部拾骨」で骨壺が大きいのに対し、関西は喉仏だけとか「一部拾骨」で、骨壺が小さいことなどがあります。また、手元に一部の骨を残して保管する「手元供養」は関西が盛んで「東低西高」で、この現象だけみると、関西の方が革新的?にも思えます。恐らく、関西では「一部拾骨」が一般的なため、「分骨」することが習慣として抵抗が少なく、「手元供養」も受け入れやすかったのでしょう。
深大寺にあるペット霊園では、多くのペット遺骨を預かっていると聞きました。毎年の命日はもちろんの事、月命日にもお墓参りに訪れる方が絶えないそうです。一方で、人だけが入った墓地のお墓参りが少なくなったといわれてます。平均で3回行かない統計もあります。考えさせられる話題です。
広報委員会 上野國光
※石材店からみた新しいお墓参りのカタチ その(2)つづく